大粒ドッグフードは大型犬用

ドッグフードの硬い粒をしっかりと噛むと歯磨き効果がある、顎が丈夫になるという情報があります。また、フレンチブルドッグなどの食欲が旺盛で、ドッグフードを一気に飲み込むように食べてしまう愛犬には大粒のドッグフードを与える事で、しっかりと噛みしめながら食べてくれるようになるという情報もありますが、いずれの情報も犬本来の特質を理解すると誤りである事を理解出来るでしょう。

オオカミや犬は、食事は短時間、丸呑みが基本

オオカミや犬には満腹中枢という脳の機能がありません。野生で生活する上では、今度はいつ獲物が手に入るかが予測できないので、目の前に獲物がある時に残さずにすべて食べきっておくことが生き抜く知恵だからです。
また、食事をしている最中は大変無防備な状態になります。他の動物から襲われる危険を避けるために、食事は短時間で済ませる必要があります。ゆっくりと噛みしめ食べるのではなく、とりあえず丸呑みをして安全な場所へ移動します。この習性によって犬も目のまえのドッグフードを噛みしめ食べるのではなく、丸呑みして食べてしまうのです。
犬も自分の口に入りきらないほどの大きな食べ物を与えると、噛みしめているような素振りを見せる事があります。その行動は「引きちぎる」為であって、人間のように飲み込みやすいように噛み砕いている行為とは異なります。

大粒のドッグフードは喉のつまり、消化不良のリスク有

飼い主の想いとは裏腹に、小型犬に大粒のドッグフードを与えると、習性に基づき丸呑みをするでしょう。当然のことながら、飲み込む事が出来ずに喉に詰まらせたり、嘔吐したり、中には消化不良で下痢をする事もあります。
粒が大きければ大きいほど消化には時間がかかり、胃腸に負担がかかります。
つまり、期待しているような歯磨き効果は十分には得られないという事です。大粒のドッグフードは、あくまでも大型犬が食べる事を前提としています。大型犬が食べやすいようにサイズを計算され、消化吸収の時間を算出しています。愛犬の食事を選ぶ時は、きちんと犬の習性、食性を理解したうえで、最適な製品を選んであげましょう。