缶詰ドッグフードは人間が食べても問題ないのか

犬用の缶詰を試食してみた、人間が食べても問題がなかったという情報を目にしたことがある方もいるでしょう。人間用製品に似ている、味がないだけという感想もありますが決して推奨出来る行為ではありません。最近では、ヒューマングレード(人間が可食出来るレベルの品質)の素材を使用した高級な製品もありますが、ドッグフード独自の仕組みを理解する必要があります。

人間用食品とは異なる安全品質

当然の事ながら、ドッグフードに使用されている原材料は人間用食品とは安全基準が大きく異なります。原材料の品質、保管管理、製造、衛生管理すべてにおいてその差は歴然です。
例えば、ヒューマングレードの牛を使用しているという製品の場合、当然のことながら食肉用部位は人間用製品に加工されます。残りの内臓や肉の破片などの部位がドッグフード用に加工されますが、内臓部分には寄生虫も多く、作業工程での保管方法に関しても安全性が確保できているとはいいがたいでしょう。加工前の状態はヒューマングレードであっても、製品化されるまで全てにおいてその品質が保たれているという意味ではありません。
人間用製品の場合、万が一その食品を食べたことで健康被害や食中毒などの症状が起こった場合、異物混入があった場合には製造者責任が生じます。しかし、犬用商品をあえて人間が食べ、健康被害が生じたとしても本来の意図とは異なる行為に出たという事で、責任問題も問えない事になり、大変リスクがあると言えるでしょう。

缶や包装容器にも注意が必要

日ごろ、缶詰は長期保存が可能な食品として、重宝するものですが、犬用缶詰の場合その保存容器についても人間とは安全基準が異なります。人間用缶詰の場合、保存期間中に缶の成分が溶けだし食材に混入する事が無い様に缶の内部をコーティングします。しかし、犬用製品の場合、コストダウンの為にこのコーティングがされていない製品も多々あります。特に輸入製品の場合、このリスクが大変高くなります。一見、品質に問題が無い様に見えていても、実は思わぬ成分が混ざり混んでいて、大変危険な事があると認識しておく必要があります。
愛犬が食べるものだからと愛情を考え、試食をするという想いも理解出来る事ではありますが、安全基準が根本から異なる事は重々承知しておく必要があると言えます。